「ゼロ」の概念は大人にとっては当たり前でも、幼児にとってはまだまだ難しいものです。
モンテッソーリ教育では「ゼロ」を錘形棒という教具を使って体感します。
具体物を使うので、幼児でも学びやすいような工夫がされています。
ここでは錘形棒の説明、開始時期、ねらい、使い方、手作り方法などをご紹介します。
算数の楽しさをお子さんに学んでもらいましょう!
錘形棒(つむ棒)ってどんな教具?
錘形棒は、2つの木箱と45本の棒がセットになっています。
各木箱には縦に5つの仕切りがあり、各仕切りに黒字で1つは0〜4、もう1つは5〜9の数字が順番に書いてあります。
棒の真ん中が角型になっていて、束ねた時に棒同士が滑らず重なり合うようになっています。
棒の両端は細くなっており、束ねた時に棒と棒の間に隙間が開くので、本数を数えやすくなっています。
最近の市販品には簡易版として棒の真ん中が角型になっていないものも販売されています。
錘形棒はいつから始めるの?
算数棒と砂数字板を使って、1から10までの数字に十分慣れた後に始めましょう。
算数教育は4歳以降から始まるのが一般的なので、錘形棒も4歳以降が目安となります。
↓算数棒と砂数字板を使ったお仕事は以下記事でご紹介しています。
※子供には個人差があるため、成長を見ながら、取り組んでみてください。
知っておこう!錘形棒のねらい
①ゼロの概念を学ぶ
錘形棒は1から9の仕切りには入れますが、0(ゼロ)の仕切りには何も入れません。視覚や触覚を使って確認する事で、「ゼロは何もない」という事を体感します。
②量と数の関係について理解を深める
算数棒では2以上は1本の棒(連続量)になっているので棒の長さで数の大きさ(数量)を感じることができました。
錘形棒は1本ずつ分離されているので、2以上は1が集まって構成されている数量であることを棒を束ねながら感じることができます。
錘形棒の使い方
ここではわが家で手作りした錘形棒の0~4の枠を使って、使い方を解説します。
①木箱を0から9になるように順番に並べ、1から9まで順番に子どもに読ませます。
②1の数を読んで、錘形棒を1本取り、「いち」と言いながら木箱の1の枠の中に入れます。
③次に、木箱の2の数を読んで、錘形棒を2本取り、「に」と言いながら、木箱の2の枠の中に入れます。
④2の枠の中に入れた錘形棒2本を取り出し、2本まとめて輪ゴムで止めて、2の枠に戻します。
同様に9の枠までやると、手持ちの錘形棒が無くなります。
⑥最後に0(ゼロ)を提示します。箱の0を子どもに読ませ、「0は何もないことです。0だから空っぽになっています」と教えます。
お子さんがやりたくない場合は、無理にやらせず、日をおいてまた誘ってみてください。
2以上は輪ゴムで束ねますので、やり方がわからない場合は、親がお手本を見せてあげてください。
輪ゴムが扱えない場合は、練習してから錘形棒に取り組んだ方がスムーズに取り組めます。
錘形棒を手作りする場合は?
錘形棒については、祝い箸であれば、似た形状になります。
普通の割り箸や新品の鉛筆、クラフトスティックなどでも代用ができます。
わが家ではクラフトスティック(0.5mm径)や鉛筆を使用しました。クラフトスティックの0.5mm径は細いので、できれば鉛筆の方がいいかもしれませんが、0.5mm径でも問題なく使用できました。
錘形棒を入れる箱は、ご家庭にある空き箱に仕切りをつけたり、牛乳パックをつなげれば作る事ができます。
手作りが大変な場合は、市販品を購入する事も可能です。
錘形棒にはこんな効果があった!
最初は棒を輪ゴムで束ねるのがぎこちない感じでしたが、何度かやると楽しくなったようで、とても張り切ってやっています。
束ねた棒を1から9まで眺めてみて、「だんだん、多くなっているね」と嬉しそうです。
ゼロの仕切りに手を入れて、「ゼロは何もないね〜」と確かめていました。
束ねる事で分離した数がまとまって大きな数になって行くことや、ゼロが何もない事であるのを視覚や触覚で感じることができました。
まとめ
錘形棒は家庭にあるものを代用しながら、取り組めます。
お子さんと数字の概念に触れ、算数の楽しさを体験してみてください。
錘形棒に十分取り組んだら、ゼロの理解を深めるために、「0あそび(数取りゲーム)」をやってみましょう!
↓0あそび(数取りゲーム)はこちらをご参照ください。