紙に描かれた立体を見ても頭の中で想像できない!
「あれ、うちの子って立体感覚が弱い?」と思う事ありませんか?
子供は具体物に触れた経験があると頭の中でうまく想像ができるようになっていくので、小さい頃から実物の立体に慣れ親む機会を作ることが大切です。
モンテッソーリの感覚教育では具体物の教具「幾何学立体」というものがあります。
ここではモンテッソーリの感覚教具「幾何学立体」を使いながら、立体感覚を鍛える方法をご紹介します。
立体感覚を鍛える!モンテッソーリの幾何学立体とは?
幾何学立体はモンテッソーリの感覚教育で使用する視覚教具の一つです。
モンテッソーリの幾何学立体は、球体、楕円体、卵体、立方体、直方体、三角柱、四角錐、円柱、円錐の9種類。
立体のサイズは、1辺もしくは直径が6cm、高さが約10cmとなっています。
また、立体の側面を投影した投影板がついています。
子供が視覚や触覚を通して、立体に触れる事ができます。
幾何学立体はいつから始める?
モンテッソーリの感覚教育では、基本図形を学ぶ教具「幾何タンス」を学んだ後に幾何学立体を使います。
三角、四角、円などの基本図形に触れた後の方が理解が深まるからです。
幾何タンスの教具が無い場合も遊びやゲームの中で基本図形に触れてから取り組んで見てください。
年齢としては3歳から5歳が目安ですが、4歳以降に取り組む事が多いようです。
お子さんの成長をみながら取り組んでみてください。
幾何タンスについては、こちらの記事でご紹介しています。
知っておきたい!幾何学立体のねらい
円柱、三角柱、立方体、直方体など基本的な立体を見たり、触ったりする事で、視覚や触覚を通じて形を認識します。
三角柱の先端は尖っていて痛い、といったように触る事で感覚的に立体の特徴を理解することができます。
幼児は言葉で聞くよりも実体験を通して習得していく方が知識が定着しやすいです。
Step up!幾何学立体の使い方
幾何学立体は立体や投影板を使いながら、いくつかのステップに分けて学んでいきます。
ステップ1:立体に触れる
幾何学立体を持ってきて、1つずつ実際に触れてみます。
立体の名前は言わず、「ここが尖っている」、「ここが曲がってる」などと立体の特徴を確認してみましょう。
また、球体や立方体を転がして、転がり方の違いなどを観察します。
幾何学立体同士で側面や底面がぴったり組み合わせられるものがあります。
子供が気づかない場合は、親が1つ目を組み合わせて、ヒントを与えてみてください。
〈組み合わせの例〉
底面をぴったり合わせて積み上げる。
側面や底面を合わせる。
ステップ2:立体(球体、楕円体、卵体は除く)と投影板を合わせる
①円、正方形、長方形、正三角形、二等辺三角形の5種類、9枚の投影板を出して、それぞれに合う立体をぴったり乗せます。
②円、正方形、長方形の3枚の投影板を出して、それぞれに合う立体を見つけ出して一度に積み重ねます。
③1つの立体を選んで、それに合う投影板をすべて見つけ出します。
④使用した立体の名前を教え、3段階の名称練習をします。
名称をいきなり言わせるのではなく、以下の1~3のステップに従い、練習しましょう。
- 親が「これは〇です」と教える。
- 親が「〇はどれですか?」と聞いて、子供に指さしてもらう。
- 親が「これは何ですか?」と聞いて、子供に「これは〇です」と答えてもらう。
ステップ3:球体、楕円体、卵体と投影板を合わせる
右手に球体、左手に円の投影板を持ち、球体を横から見ると円の投影板と重なる事を見せます。影を使ってやっても良いです。
子供から見るとこのように重なるように見せるのがコツです。
楕円体や卵体も同じようにします。
ステップ4:目を閉じて立体を見つけ出す。
①親が言った立体を子供は目を閉じたまま、手で触って見つけ出します。
9種類をすべて行います。
②子供が目を閉じたまま1つの立体を選び、その名称を言います。
9種類をすべて行います。
幾何学立体を準備するには?
工作用紙を使用して作成したり、包装用の箱などを利用する事もできますが、お子さんが触ったり、転がしたりして使用するものですので、耐久性も必要です。
また、球体、楕円体、卵体は準備が難しいです。
尖った角や真っすぐな表面、滑らかな曲面を手で感じるためにも、できれば市販品の購入が望ましいと思います。
モンテッソーリ教具の幾何学立体は市販品の販売があります。
また、モンテッソーリ教具は木製なので割高になりますが、モンテッソーリ教具でなくても、算数の教材としてプラスチック製のものも販売されています。
モンテッソーリ教具と少し種類は違うかもしれませんが、基本的な立体に触れる事ができます。
ご家庭のご都合に合わせて選んで頂ければと思います、
まとめ
幾何学立体をご紹介しましたが、いかがでしたでしょうか?
立体は市販品でもお手頃に変える商品が増えていますので、手に入れやすくなっています。
立体感覚を鍛えるためにも、是非小さい頃に何度も立体に触る機会を作って頂ければと思います。