モンテッソーリの算数教育では、数量(具体的な量)、数詞(読み方)、数字(文字)の3つが結びついて初めて、「数を理解した」と考えます。
まずは算数棒を使って、1から10までの数量(どのくらいの量があるか)を体感する事から始めてみましょう。
ここでは、算数棒のねらい、使い方、使った様子と効果についてご紹介します。
算数棒ってどんな教具?
1から10までの10本の角棒で、連続した「量」を表しています。
10cmごとに交互に赤と青で色分けされており、右端が赤の場合は奇数、青の場合は偶数です。

最短の棒は10cmで「1」を表し、最長の棒は1mで「10」を表しています。
感覚教具の赤い棒と同じ長さになっており、赤い棒で体感した長さの違いが、数量の違いとして感じる事ができるようになっています。
「赤い棒」については、こちらの記事をご参照ください。
算数棒はいつから始めるの?
算数教育は感覚教育がベースとなるため、感覚教育を行なった後に取り組むのが望ましいです。
特に感覚教具の「赤い棒」とは関連性のある教具なので、「赤い棒」に十分親しんでおきましょう。
算数教育は4歳以降から始まるのが一般的なので、最初の教具である算数棒も4歳以降が目安となります。
※子供には個人差があるため、成長を見ながら、取り組んでみてください。
算数棒のねらい
①数の集合体が量であることを理解する
角棒の長さと数字の大きさは比例しているため、数量の違いを認識しながら、数の集合体が量である事を理解します。
②数の名称(数詞)を覚える
算数棒を数えながら、数詞を覚えます。指を動かす事で、名称を覚えやすくなります。
算数棒の使い方
ステップ1 数量と数詞を覚える
①角棒を長い方から順番に並べさせて、段階づけを行います。赤い部分が左端来るように揃えます。

②「1」と「2」の棒を取り出して、それぞれ「いち」と「に」である事を教えます。
「2」の棒を紹介する時は、「1」の棒を「2」の棒の赤と青の区切りに当てながら、「いち、に」と数えます。
「2」の棒は「1」の棒の2つ分の長さである事を確認させます。

③「1」と「2」の棒をばらばらに置いて、1を取るように言ったり、2を取るように言って子どもに取らせます。
④「1」の棒を取り上げて、名称を子どもに尋ね、答えさせます。
⑤3から10までも同じようにします。
※一度にやるのが難しい場合は、3と4、5と6というように2つずつ行います。
※数量と数詞を覚えさせるために、必ず「1」の棒を重ねて数えさせます。
ステップ2 数量と数詞を正しく一致させる
1から10までの棒をバラバラに並べ、親が数字をランダムに言い、子どもがその数字の棒を取って来ます。
取ってきた棒は「1」の棒を重ねて数え、正しいことを確認します。
※棒は毎回元に戻します。
算数棒を手作りする場合
わが家の場合は、教具作りにそこまで時間が取れないので、購入しましたが、手作りもできると思います。
手作りしたい場合は、ホームセンターで角材を買って来て、赤と青に塗装する方法があります。
角材を塗装する時は、最初に白で塗装して、その上から赤と青を塗装すると色味がきれいにでます。
注意点としては、
・感覚教具の赤い棒と同じサイズにする
・子どもが触るので、手触り良くする
という感じでしょうか。
自分で作ったわけではないので、参考程度にして頂ければと思います。
算数棒を使った様子
わが家では、4歳11ヶ月の頃に取り組みした。
1から10までは数える事ができるのですが、数字と量が結びついているかは疑問です。
算数棒は、本来10cm〜100cmのサイズになりますが、家が狭い事と、子どもがある程度小さい物を扱える年齢になっていたので、ミニ版を使う事にしました。
算数棒を見せると、「何だろう?」と赤と青の模様に興味を持ったようです。
1の棒を重ねて数える事を教えると、「私も数えたい」と積極的にやります。
1や2という数字は何度となく数えたり、言葉にしていますが、実際に棒という形で実物を手にするのは初めての感覚のようです。
10の棒と1の棒を比べて、「10は大きいね〜、こんなに違うんだ〜!」と大きさの違いを体感してくれたようです。
途中で、1の棒と8の棒をつなげると、9の棒と同じ長さになる事に気づき、9の棒の隣に並べ始めました。

算数棒を使った足し算、引き算はもう少し後でやるのですが、せっかく本人が興味を持ったので、少し取り組む事にしました。
「つなげると9の棒と同じ長さになるものは他にもあるよ」と教えると、2と7、3と6などの組み合わせも作っていきます。

すべての組み合わせを並べると、満足したようで、この日のお仕事は終わりにしました。
算数棒の効果
✔数量を体感する事ができた!
算数棒を使う事で、数を具体物として表すことができます。算数棒を視覚、触覚を通して感じる事で、数量を体感する事ができました。
ドリルなどのプリント教材から始めるより、まずは具体物である算数棒を使った方が、知識として定着しやすいと感じました。
次のステップは?
算数棒に十分取り組んだら、次は砂文字板を使って数字(文字)を覚えます。
砂数字板のお仕事については、こちらをご参照ください。
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トイサブについてはこちらの記事をご参照ください。