幼児向け算数ドリルで足し算、引き算練習をやらせてみても、なかなか理解してくれない事ありますよね。
幼児にとって、プリントでの足し算、引き算は抽象的なので、理解するのに時間がかかります。
まずは算数棒を使って具体的に足し算、引き算をイメージする事から始め、段々と計算式へ導いていきましょう。
ここでは、算数棒と使った足し算、引き算練習の開始時期、ねらい、教え方についてご紹介しています。
足し算、引き算の練習はいつから?
幼児に足し算、引き算を教える場合は、1から10までの数量、数詞、数字が正しく一致するようになってからが望ましいです。
モンテッソーリの算数教育では、算数棒と数字カードを使って、数量、数字、数詞を正しく一致させ、数を理解していきます。
算数棒と数字カードについてはこちらをご参照ください。
計算練習は、「算数棒と数字カード」を行った後か、もしくは10までの数を理解する教具(錘形棒、0遊び、数字カードと玉)を使った後に復習として実施するようにしましょう。
算数棒を使った足し算、引き算練習のねらい
算数棒を使って足し算、引き算を視覚、触覚でとらえながら理解していきます。最初に数の計算を具体物でイメージできるようにしておくと、後に計算式を使用した時も理解しやすくなります。
算数棒ってどんな教具?
1から10までの10本の角棒で、連続した「量」を表しています。
10cmごとに交互に赤と青で色分けされており、右端が赤の場合は奇数、青の場合は偶数です。
最短の棒は10cmで「1」を表し、最長の棒は1mで「10」を表しています。
算数棒の使い方については、こちらの記事をご参照ください。
足し算、引き算の教え方
算数棒を使った足し算、引き算の教え方をご紹介します。少しずつステップを踏みながら進めていきます。
事前練習
算数棒を1から10まで並べさせ、任意の1本を抜き取り、その前後の数字を子供に答えさせます。
例えば、「6」の棒であれば、「6の次はいくつ?」「6の前はいくつ?」と聞きます。
数字の順番を正しく理解しているか確認しながら、練習しましょう。
足し算の教え方
ステップ1 最長棒を基準とした足し算
①算数棒を1から10まで段付けて並べます。
②10の棒を取り、別の場所に置きます。
③次に9の棒を取り、10の棒の手前に左端を揃えて並べます。
④10と9の棒の差に注目させて、あといくつで10と同じになるか子供に尋ね、1と答えてもらいます。
⑤1の棒を取って、9の棒の横に並べ、10の棒と同じ長さになった事を確認します。
⑥同じように8、7、6・・・と進めていきますが、10との差を指で数えて答えさせるようにします。
⑦5については、棒が1本しかないため、5の棒を左から右へひっくり返し、2回使います。
・10を基準とした練習が終了したら、9を基準とした練習に移ります。同様に8、7・・・と進めていきます。
ステップ2 任意の棒を基準とした練習
ステップ1を十分練習したら、任意に棒を選んで練習をします。
例えば、7の棒を基準として、4の棒との差がいくつか尋ねます。
引き算の教え方
ステップ1 最長棒を基準とした引き算
足し算のステップ1の⑦まで終了した状態から始めるとやりやすいです。
①10の棒に注目させて、「10から1を取るといくつになりますか?」と尋ねながら、1の棒を取り除きます。子供に9と答えさせます。
②同様に10から2を取り除き、3を取り除き・・・というように続けます。
③5は前回の足し算とどうように右から左へとひっくり返して2回使用します。
・10を基準とした練習が終了したら、9を基準とした練習に移ります。同様に8、7・・・と進めていきます。
ステップ2 任意の棒を基準とした練習
足し算の時と同様に、ステップ1を十分練習したら、任意に選んだ棒で練習します。
次のステップは?
算数棒を使った足し算、引き算練習を十分行ったら、10までの数量概念を理解できたと考えます。
次は十進法を進みます。まずは、金ビーズを使った位取りについて学びます。
↓金ビーズのお仕事については、こちらでご紹介しています。