日常生活の中で、道具を使って物を移す動作はたくさんありますよね。
スプーンを使って食事する時や、箸を使って料理をする時など…。
モンテッソーリ教育の「移す」お仕事は、スプーン、トング、ピンセット、箸の順番で段々とステップアップしていきます。
今回はトングを使った移すお仕事について、使用する教具、ねらい、対象年齢、やり方、取り組みの様子と効果をご紹介します。
100均材料を使って簡単に準備できるので、ぜひお試しください!
モンテッソーリ流トング遊びは100均材料を準備!
トング遊びの材料は家にあるものや100均材料で簡単に手作りできます。
・トング 1つ
・カラーボール 10個程度
・容器 2つ
トングについて
写真は100均ショップで買ったシュガートングです。持ち手に木製の柄がついているため、握りやすいです。トングは子供の手に合った小さいのもので、先がとがっていない方が安全です。
カラーボールについて
100均ショップで購入できます。最初は直径は20mm前後のものから始めるのがおすすめです。カラーボールがない場合は、スポンジなどのやわらかいものを小さく切って使ってもいいと思います。
容器について
お皿だと作業中にカラーボールがこぼれやすいので、少し深さがある容器がいいです。
モンテッソーリ教育では、子供に物を大切に扱ってもらうために、敢えてガラスや陶器の容器を使わせます。ガラスや陶器の方が重さがあるため、作業中も安定して動きにくくなります。
ただ、忙しい中でおうちモンテをされている方もいらっしゃるので、子供がガラスや陶器を落ち着いて扱えるか様子を見ながら使用してみてください。
カラーボールは誤飲の危険があるため、必ず側についていてください。
トング遊びはいつからできる?
スプーンを使った移し替えがうまくできるようになってから取り組んでみましょう。
年齢の目安としては1歳6ヶ月以降からになります。
2歳頃からは、やり方を発展させて、トングでカラーボールの色分けをしたり、カラーボールよりも固いものを移し替えてみたりしてください。
※年齢はあくまで目安ですので、子供の成長を見ながら取り組んでください。
スプーンの移し替えはこちらをご参照ください。
知っておこう!トング遊びのねらい
トング遊びのねらいは主に2つです。
①指先を自由に動かせるようにする
3本指を使ってトングを動かす事で指の筋力がつき、指を自分の意思通りにコントロールする事ができるようになります。
後に箸や鉛筆を持つ練習になります。
②集中力をつける
カラーボールをトングでつまんで、決まった位置まで持っていく作業は指先に神経を集中させる必要があります。
何度も移し替えをする事で、集中するという体験を積み重ねて行く事ができます。
ゆっくりステップアップ!トング遊びのやり方
トングでカラーボールを移し替えるだけでも、初めての子供にはまだまだ難しい作業です。
ゆっくりとステップアップしながら進めていきましょう。
初めての時はお手本を見せよう!
トング遊びを初めてやる時は、親が以下手順でお手本を見せて上げてください。子供が遊び方を理解した後はお手本は省略して構いません。
①教具をトレイに乗せて持ってきます。子供が一人で持ってこられない場合は、親が一緒に持ってきます。
②親が子供の利き手側に座ってトングの正しい握り方を見せます。
③カラーボールを挟む前に、トングの動かし方をゆっくりやってみせてあげます。
④トングでカラーボールを挟んてゆっくり持ち上げ、一旦止めます。隣の容器の上に持って行き、一旦止めます。それからカラーボールを離して入れます。
⑤全部移し終えたら、容器の左右を入れ替え、ボールが入った容器を右側に持ってきます。
⑥子供にやりたいか聞き、やりたい場合はやらせます。やりたくない場合は数日おいてまた誘ってみます。
⑦教具をトレイに乗せて片付けます。
最初はカラーボール5個くらいから始め、段々と数を増やしてみてください。
慣れてきたらステップアップしよう!
最初の移し替えができるようになったら、ステップアップしていきましょう!
ステップアップの手順をご説明します。
ステップ1:右から左へ移す
最初はカラーボールを右の容器から左の容器へ移します。すくう動作を利き手側でやるので難易度が一番低いです。
ステップ2:左から右へ移す
右から左に移す事になれたら、次は左から右へ移してみましょう。
左から右へ手を動かす動作は、文字を書く手の動きと同じなので、後の運筆に繋がります。
ステップ3:色分けをする
2歳近くになると、カラーボールの色分けができるようになります。容器を複数用意して、「赤はこっち」、「青はこっち」というようにすくったボールを色分けして入れましょう。
写真はボールと容器の色を合わせるようにしていますが、白い容器に目印として青や赤のシールを貼ってもいいと思います
わが家でトング遊びをした様子
わが家では2歳近くになってから始めました。(イヤイヤ期真っ盛りのため、容器は念のためプラスチック製にしています。)
トングには興味津々で、お手本を最後までしっかり見ています。
トングを渡すと、手でカチカチと動かしてみてから、カラーボールを挟み始めました。
まだ指先だけで動かすのは難しいようで、手全体を使って握りながら、動かしています。
時々、ボールを落としてしまったりします。
何とか全部移し終えると、容器の左右を変えて、また最初からやり始めました。しばらく集中して何度も繰り返していました。
慣れてきた頃にカラーボールを1.5mmにしてやってみると、スムーズに移す事ができました。
実感!トング遊びで感じた効果
最初は手全体を使ってトングをもっていましたが、徐々に指先で持つ事ができるようになってきました。
トングを使った事で、指先がよく動くようになってきました。
カラーボールを挟むという動作は面白いようで、自分で何度も容器を左右に変えながら、繰り返し行っていました。
簡単可愛い!1歳向け手作り教具のおすすめ本
トング以外にも遊びの材料は手作りできます。わが家で参考にしている手作り本を2冊ご紹介します。
①子どもの才能を伸ばすモンテッソーリ教具100
100均材料を中心に手作りできる教具が100例載っている手作り本。
0歳から6歳を対象に動作別で教具がまとめられており、推奨年齢も書いてあるので、わかりやすいです。
↓くわしいレビューはこちらでご紹介しています。
②ひとりで、できた!
0歳~3歳児が大好きなかわいい手作りおもちゃがたくさん載っています。少し手の込んだものが多いので、しっかりとしたおもちゃを作ってあげたい方向けです。動作別、年齢別におもちゃが分けられています。
↓くわしいレビューはこちらでご紹介しています。
手作りできない場合はレンタルしよう!
わが家では手作りすると費用がかかったり、手作りが難しいものはおもちゃの定額制レンタルサービスを利用しています。
良質なおもちゃは、モンテッソーリ教具と同じように子供の発達をサポートする効果があります。
でも、購入するとなると、3,000円前後するため、お金がかかってしまうのが悩みです。
そのため、わが家では年単位で長く使えるものは購入しますが、他はレンタルしています。
わが家で利用しているレンタルサービスの「トイサブ」では、2か月単位で6個の良質なおもちゃをレンタルできます。
1個当たり、月額600円程度で利用できる計算なので、とてもおトクです。
レンタルするおもちゃはプランナーさんが利用者に合わせて最適なおもちゃを選んでくれるので、時間も節約できるというメリットがあります。
手作りできないおもちゃをおトクに利用したい方はぜひご検討ください。
↓トイサブのサービスや特徴についてはこちらでくわしくご紹介しています。
まとめ
トング遊びは、100均材料で簡単に準備する事ができ、子供も集中するので、ぜひ取り組んでみてください!
トングが使えるようになったら、洗濯バサミ遊びやピンセットを使った移し替えに取り組んでみましょう。
↓洗濯ばさみ、ピンセットを使った遊びはこちらの記事をご参照ください。